怖すぎて怖くない。



「ん…っ…。」

もう何度目になるだろう、彼の唇にキスするのは。

何度しても足りることなんてない。

もっともっと欲しくなる。



唇を離したら、それはまた堪らない表情が視界に入る。

そしたらまた欲しくなる。

堂々巡りですね。



「こいず…みっ…いい加減に…。」

ハルヒが戻ってくる、と少し前の僕には十二分に効果のあるセリフを持ってきますが、

どうやらもう効かなくなってきましたね。

耐性がついたのもありますし、
どうなってもかまわないと思う気持も出てきています。



だって彼を触れられないなら意味がない。
そちらの方が怖い話になってきましたから。



彼女のことですか?

それは今でも怖いですよ。

自分が問答無用で消されるかもしれない力を十二分に持った方ですから。

3年以上も怖くて怖くて仕方なかった方ですからね。



でも、だからこそ気構えも出来上がるものです。



どうしたって彼女にはかなわない。
だったら僕は僕のしたいことをします。



したいことができてしまいましたからね。



したいときにしたいように。
あなたに触れさせてもらいますから。

僕はもう怖くない。




恐怖はもう邪魔をしない。




END




お題と多少ずれてますが、まあいつものことかな。
それにしてもキス以上にいくのが少ないな…。



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